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プロフィール
すぎはら
1968年福岡生まれ。男性。
2000年に開園。「ちびはる保育園 原田」「ちびはる保育園 基山」「ちびザウルスのひみつきち」3園の園長。また「病児保育のスタンドバイ」代表。
大学生の息子二人と特別支援学校中等部2年生の娘の父。
「え~!とても大学生のお子さんがいるようには見えませんよ」と言われるのが好き(笑)



歳を取るのは、なんだか辛いというか、悲しい気持ちになりますよね。
これまで出来ていたことが出来なくなったりするので。自分の可能性が刻々と減っていくような。。。

でも歳を重ねて経験値を積まないと出来ないことっていうのもあるし、何かとの出会いで新しい扉が開く感覚も大切にしたいです。


最近思うのは「隣の芝生は永遠に青い」です。
その事実を受け止めたうえで、「自分にとって一番大切なもの・価値観」をしっかり意識してみることが大切なような気がします。

いろいろ毎日ありますが、「愚痴は不幸を呼ぶ呪文」だそうですので、なるべくいろんなことに感謝しながら、生きていけたらと思っています。



あんまり旅行は得意ではないけれど、いつかオーロラ見に行ってみたいと、最近は思うようになりました。
自分のちっぽけさを感じて、そのうえで感じることって大切ですよね、きっと。





2013年05月08日

育児に少し疲れた時

 今から紹介する文章は、アメリカの「不朽の名作」ということです。

 もし、なかなか思うようにいかない育児にストレスがある方は読んでみてください。1分くらいで読み終えます。


 父は忘れる     リヴィングストン・ラーネッド


 坊や、聞いてくおくれ。
 おまえは小さな手を頬にのせ、汗ばんだ額に金髪の巻き毛をくっつけて、安らかに眠っているね。お父さんは、一人で、こっそりおまえの部屋にやってきた。今しがたまで、お父さんは書斎で新聞を読んでいたが、急に、息苦しい悔恨の念にせまられた。罪の意識にさいなまれてお前のそばへやってきたのだ。
 
 お父さんは考えた。
 これまでわたしはおまえにずいぶんつらく当たっていたのだ。
 おまえが学校へ行く支度をしている最中に、タオルで顔をちょっとなでただけだといって、叱った。靴を磨かないからといって、叱りつけた。また、持ち物を床の上に放り投げたといっては、どなりつけた。

 今朝も食事中に小言を言った。
 食べ物をこぼすとか、丸のみにするとか、テーブルにひじをつくとか、パンにバターをつけすぎるとかいって、叱りつけた。
 
 それから、おまえは遊びに出かけるし、お父さんは駅へ行くので、一緒に家を出たが、別れるとき、おまえはふりかえって手をふりながら、「お父さん、いってらっしゃい!」と言った。すると、お父さんは、顔をしかめて、「胸をはりなさい!」と言った。

 同じようなことがまた夕方くりかえされた。
 わたしが帰ってくると、おまえは地面にひざをついて、ビー玉で遊んでいた。ストッキングのひざのところが穴だらけになっていた。お父さんはおまえを追いかえし、友達の前で恥をかかせた。「靴下は高いのだ。おまえが自分で金をもうけて買うんだったら、もっと大切にするはずだ!」  これがお父さんの口から出たことばだから、我ながら情けない!

 それから夜になってお父さんが書斎で新聞を読んでいるとき、おまえは、悲しげな目をしておずおずと部屋に入って来たね。
 うるさそうにわたしが目を上げると、おまえは、入口のところで、ためらった。「何の用だ」とわたしが怒鳴ると、おまえは何も言わずに、さっとわたしのそばにかけよってきた。おまえの小さな両腕には、神様が植え付けてくださった愛情がこもっていた。どんなにないがしろにされても、決して枯れることのない愛情だ。やがて、おまえは、ばたばたと足音をたてて、二階の部屋へ行ってしまった。

 ところが、坊や、そのあとすぐあとで、お父さんは突然何ともいえない不安におそわれ、手にしていた新聞を思わず落としたのだ。

 何という習慣に、お父さんは取りつかれていたのだろう!

 叱ってばかりいる習慣。  

 まだほんのこどもに過ぎないおまえに、お父さんは何ということをしてきたのだろう!決しておまえを愛していないわけではない。お父さんは、まだ年端もゆかないおまえに、無理なことを期待し過ぎていたのだ。おまえをおとなと同列に考えていたのだ。

 おまえのなかには、善良な、立派な、真実なものがいっぱいある。
 おまえの優しい心根は、ちょうど山の向こうから広がってくるあけぼのを見るようだ。おまえがこのお父さんにとびつき、おやすみのキスをしたとき、そのことが、お父さんにはっきりわかった。ほかのことは問題ではない。お父さんは、おまえに詫びたくて、こうしてひざまずいているのだ。

 お父さんとしては、これが、おまえに対するせめてものつぐないだ。昼間こういうことを話しても、おまえにはわかるまい。だが、明日からは、きっと、良いお父さんになってみさる。おまえと仲良しになって、一緒に喜んだり悲しんだりしよう。小言を言いたくなったら舌をかもう。そして、おまえがまだこどもだということを常に忘れないようにしよう。

 お父さんはおまえを一人前の人間と見なしていたようだ。こうして、あどけない寝顔を見ていると、やはりおまえはまだ赤ちゃんだ。昨日も、お母さんに抱っこされ、肩にもたれかかっていたではないか。お父さんの注文が多すぎたのだ。





 ご精読、ありがとうございました。

 

 時間との戦いのような毎日の中で、わが子に小言を言わないなんてできません。イライラもするし、それは愛情ゆえの仕方のないことといったん自分を肯定しましょう。
 そのうえで、時にはこんな文章を読んで、リセットもしたいですね。


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