QRコード
QRCODE
インフォメーション

プロフィール
すぎはら
1968年福岡生まれ。男性。
2000年に開園。「ちびはる保育園 原田」「ちびはる保育園 基山」「ちびザウルスのひみつきち」3園の園長。また「病児保育のスタンドバイ」代表。
大学生の息子二人と特別支援学校中等部2年生の娘の父。
「え~!とても大学生のお子さんがいるようには見えませんよ」と言われるのが好き(笑)



歳を取るのは、なんだか辛いというか、悲しい気持ちになりますよね。
これまで出来ていたことが出来なくなったりするので。自分の可能性が刻々と減っていくような。。。

でも歳を重ねて経験値を積まないと出来ないことっていうのもあるし、何かとの出会いで新しい扉が開く感覚も大切にしたいです。


最近思うのは「隣の芝生は永遠に青い」です。
その事実を受け止めたうえで、「自分にとって一番大切なもの・価値観」をしっかり意識してみることが大切なような気がします。

いろいろ毎日ありますが、「愚痴は不幸を呼ぶ呪文」だそうですので、なるべくいろんなことに感謝しながら、生きていけたらと思っています。



あんまり旅行は得意ではないけれど、いつかオーロラ見に行ってみたいと、最近は思うようになりました。
自分のちっぽけさを感じて、そのうえで感じることって大切ですよね、きっと。





2014年05月08日

思うだけか、伝えるか、の大きな差

つい最近、自分の身に起こったことです。

長いし、特に面白い話ではないけれど、個人的にとても印象的なことでしたので、ご興味があればご拝読ください。




私と妻と娘(支援学校中等部一年生。知的にも身体的にも障がいあり、移動のときは車いすを保育者が押す必要があります)と、そして私の母で西区のあるお店でランチをしたときの話です。


その時、我々家族はそれなりに落ち込んでいました。見に行った息子の部活の試合がとても残念な結果だったからです。

自分の母親とはいえ、わざわざ母も見に来てくれた試合でしたし、通常以上に残念に感じていました。試合の勝ち負けだけでなく、いくつかショックなこともあり、正直に言えば「一時的ではあれ、絶望的な気分」といった感じでした。


お昼には少し早い時間でしたが、その後の予定を考えるとここで昼食を食べておく必要がありました。そこでその試合があった場所のすぐそばにあるお店に入ることにしました。それなりに雰囲気のよいお店です。


どんなお店でもそうなのですが、障がいのある車いすの娘と入店するのは、どうしても夫婦二人でお店に入るのとは違います。おまけに予約もしていません。恐る恐る、といった感じで「障がいのある娘と、大人三人ですが大丈夫でしょうか」と尋ねることになります。

そして、そこからはお店によって(あるいは案内してくれる店員さんによって)、多少の違いが出ます。


私が恐る恐る尋ねた店員さんは、おそらく50代の女性です。
そして、その方だけでなく、その後部屋を案内してくださった方も含め、これまでに経験ないほどの親切な対応をしていただきました。

気持ちの良い和室の個室に通して頂き、メニューを選んで、そして注文。
早くもその段階で、すっかり我々は幸せな気分になり、「なんかさっきの試合のことやら忘れるやん?」と私が言って笑ったほどです。


料理もとてもとても美味しかったのですが、その美味しさにはその店のみなさんの笑顔や配慮、プロとしての誇りや、人としての優しさも大いに加点されていたように思います。




さて。ここからが本題です。



食事も終わろうとしたときに「よろしければ、当店で食事をされてのご感想をいただけないでしょうか」ということで、小さな紙とボールペンを持ってこられました。

私はそこに、よしきたとばかりに今感じている思いを書きました。

障がい児がいると、外食というのはいろいろ考えて入店せねばならず、どうしても肩身が狭い思いをしながらの食事になることが多い。しかし今日はみなさんのおかげでとても幸せな気持ちで食事ができた。私たちが感動し、幸せを感じていることを、今日勤務されている方々にわかっていただきたい。本当にありがとうございました。
そんな内容です。

そして私はそれを書き、本当に幸せな気持ちになりました。



ポイントはこのアンケート用紙なんです。


もしこの紙がなければ、お店を出るときに「美味しかったですし、また是非来させてください」を、言うか言わないかで終わりだったと思います。
私の気持ちも十分に形にならないまま「いいお店だったなぁ」で終わりです。

ところがこの用紙のおかげで、私はしっかりと気持ちを具体的に言葉に替えることができ、感謝を伝えることができました。

そして伝えることができたことで自分が幸せを感じているんです。

感謝したいことに対して、ちゃんと感謝を伝えられた満足感。ありがとうを言いたいときに、心からありがとうを言えた時の幸福感。



心の中で思うだけの「ありがとう」と、しっかり伝えることができた「ありがとう」の差。

ありがとうを伝えた相手が喜んだかどうかではなく、自分が伝えることができたことが一番大きな幸せなんだと、今回強く感じました。


そして、もし日常に埋もれてしまっている「ありがとう」があるならば、やはりそれも思うだけでなく、伝えることで「自分も」幸せな気持ちになれるのだろうな、と感じます。







「ありがとうの大切さ」みたいにまとめると、とても平凡な話ですし退屈だったかもしれません。

でも、わが子に「ありがとうを言える子になってほしい」というのは、親であればみなが思うことですよね。


とりあえず、自分発信で「ありがとう」を言っていきたいなと、私は改めて思っています。



★ 後日談として

このお店から、はがきですが直筆でお礼の手紙が届きました。「温かい言葉をありがとうございました」という内容です。お店のキャンペーンとかの告知ではなく、ただのはがきに直筆で。
「直筆の力」も、改めて感じましたし、その行き届いた心遣いに、また感動させられました。






同じカテゴリー(園長のちょっと真面目な想い)の記事画像
今年は…
19時からは
前回ブログ続き 神としての、鹿実新体操部 2
お手紙ありがとう
救命講習
みんなありがとう!
同じカテゴリー(園長のちょっと真面目な想い)の記事
 20年  その③  「寄付への思い」 (2020-08-30 11:49)
 20年  その② 「寄付について 難病児支援」 (2020-08-30 11:45)
 20年  その① 「20年、続いたその自分のために」 (2020-08-30 10:30)
 我々はもっと自分の頑張りを肯定していい気がします (2020-05-20 13:46)
 今年は… (2020-01-04 10:37)
 19時からは (2019-07-17 22:37)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。